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僕たち隊員が使える研修制度を使って、タイ・バンコクにあるマヒドン大学熱帯医学病院リンパ浮腫デイケアセンターにリンパ浮腫の治療法を習得しに研修を受けに行ってきました。

 

過去にも記事に書いたように、今僕がやっているフィラリア対策の活動で抱えているリンパ浮腫の患者さんを治療するために必要な知識・技術を習得するためだ。

 

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タイは今回で4回目であり、もうすっかりおなじみのスワンナプーム空港ではあるが、今回はPNGから来たのでほんと原始からいきなり数千年タイムスリップした気分。

 

人間は慣れていても振り幅がでかいと衝撃を強く受けるようだ。

 

 

 

そんなことはおいといて研修の話。

 

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バンコクのビクトリーモニュメント近くにあるマヒドン大学熱帯医学部。この中の熱帯医学病院にリンパ浮腫デイケアセンターがある。

 

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リンパ浮腫デイケアセンター。病棟の一角にある。

 

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中はこんな感じ。最大24人収容可能。デイケアセンターなので、入院ではなく患者さんはみんな通ってくる。

 

 

今回の研修のメインの目的はTwisting Tourniquet Decongestive Therapy(TTDT)というリンパ浮腫の治療法の技術の習得。

この方法は平たく言えば浮腫の幹部を圧迫して浮腫を軽減させる方法。

 

 

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まずは体重、体脂肪、水分量、筋肉量、血圧、脈拍幹部周囲のサイズを測定。これらは治療前後で毎回計測。

10% or 20%尿素配合クリームで幹部をマッサージ(塗布ではない)し、幹部を柔らかくする。

 

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抹消から包帯(ガーゼ)を巻いていく。

 

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その上に弾性包帯を抹消から中枢に向かって巻いていき、さらにその上にサポーターを巻いていく。

 

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最後にTourniquet(止血帯)またはそれに代わる布を巻いて、ギュッと縛っていく。

この布を巻くのを15分、緩めて休憩を5分を10セットくらい行なう。

ちなみにこの布はこのリンパ浮腫センターが開発し、自分たちで作っている。

 

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ここのリンパ浮腫センターのいいところはこのTTDTにこだわるわけではなく、使える器具はなんでも取り入れているところだと感じた。TTDTに加え、間欠式空気圧迫法も合わせて行なっている。

 

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浮腫はいろんなところで起こるが、基本的にどの幹部でも要領は同じ。腕でも同じ。とにかく巻いて巻いて巻きまくる。

 

 

 

この治療は5日間このデイケアセンターに通いTTDTを実施した後、1ヶ月後、2ヶ月後という感じで合計4回のフォローの診察を受けるのがスタンダードのコースらしい。

 

5日間の治療が終了し、自宅に戻って患者自身や家族の手でTTDTを実施する患者もいるようだが、この圧迫する専用の布を購入するのは結構値段が高い。

自宅に帰っても圧迫しつづてることが重要なので弾性ストッキングやサポーターを購入して使用している患者が多い。

 

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ここでは↑このような圧迫サポーターも患者のサイズにあわせて手作りしている。サイズ計算も綿密な計算の上で行なっている。

 

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治療はなんやかんやで丸半日~1日かかるので、お昼ご飯がついている。

浮腫の原因に動物性タンパクも関与しているとのことでこれら食事は全て植物性。肉っぽいのも入っているがすべて植物由来。めちゃくちゃ美味しい!!これなら肉はいらないと納得して食べられる。

 

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ここリンパ浮腫センターの医師であり、TTDTを開発したDr.Wichai Ekataksinの診察も見学させてもらった。Dr.Wichai Ekataksinは日本の医師免許も持っており、日本語も堪能なので日本語で我々に解説しながら診察を行なってくれた。

 

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診察は毎日午後からあり、おとづれた患者さんはものすごく多く、しかも、すごく丁寧な診察をするので診察は夜中まで続いていた。

上記のようなsevereなケースの患者も多く来ていた。

 

 

 

研修のメインは技術の習得であるがそれ以外にも色々いろんな人に教わった。

 

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実際にTTDTを行なっている人のMRIを見てみたり。

 

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ここの大学院生やスタッフにリンパ浮腫の病態生理を詳細に習ったり。

 

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研修室を見学させてもらったり。研究室は大学院生の時にやったことのある組織染色やら病理検査の技術が多くてとても懐かしく、興味深かった。

 

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今まで学会等で発表した内容を解説してもらったり。

 

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それ以外の時間は、こういう治療法は経験数がものを言うと思うので、ひたすら計測して、

 

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巻いて巻いて巻きまくっていた。基本的に満床なのであっちこっちでタイマーがなっていて布を縛ったり緩めてりでバタバタ。

 

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どれくらいの圧迫なのかを体験するために自分にやってみたり。おもいっきり縛っても、思った以上にきつくなかった。80mmHg位の庄で縛るらしい。

 

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↑こんな感じで改善していく。5年間で2000症例以上行なってきたとのこと。

TTDTは非常に勘弁な治療法でありながら、その裏には基礎研究や追跡調査まできちんと行なわれており、かなりしっかりした方法のように思った。

タイ77県中75県から患者が来ており、世界からも医師が研修に来ているそうだ。

 

 

 

我々は朝8時過ぎから大体夜7時半くらいまでこのデイケアセンターで研修を受けていたが、スタッフは患者さんがいてる限り働いていた。

日によっては深夜1時をもまわることもしばしばあるようだ。

 

最終日に研修修了後、Dr.Wichai Ekataksinがまとめをしてくださり、こちらも色々質問などを行なっていると、結局夜11まで病院にいてました。

 

ほんと毎日朝一に病院行って患者さん診て、夜に宿に帰ってご、飯食べて、ネットでメールチェックしているうちに知らない間に意識が飛んで寝てるという生活で、新たに得る知識も多く全く余裕のない約10日間だったけど、本当にびっくりするくらいいい研修になりました。

 

Drもスタッフのみんなもとても親切で情熱をもって取り組んでいる感じもとても刺激になりました。

 

ここで使っている器具はPNGでは手に入らないものもあるので、あとはこの方法を任地でできるようにどうモディファイするかがキーポイントになりそうです。

 

 

Drをはじめとするスタッフのみなさん本当に親切にしていただき本当にありがとうございました☆

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いつも記事が長くなってしまっていますが、読んでくださっているみなさんありがとうございます☆

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【】
自分の全く知らない医療がここにはあるんですね。
イギリスやフランスでは旧植民地絡みで熱帯医学という分野も存在するみたいですが、日本ではほぼ皆無ですからねえ。
日本の医師免を取った勉強家の東南アジア出身のDrといえば当院の脳外科にもいたなあ・・。今は阪大の大学院生になってるはずですが。
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mah-kun

Author:mah-kun
2010年1月12日~JOCVで感染症対策隊員としてPapua New Guniea (PNG)で活動します★

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